
医療職の職務経歴書、採用担当が見ているポイント
経験年数だけでは伝わらない、担当業務・スキル・強みの書き方を解説
経験年数だけでは伝わらない、担当業務・スキル・強みの書き方を職種別に解説
医療職の職務経歴書で採用担当が確認したいのは、勤務先の名称や経験年数だけではありません。特に見られるのは、**募集している業務との一致、担当業務の具体性、経験の再現性、必要な資格・スキル、書類全体の読みやすさと整合性**です。
「何年働いたか」に加えて、**どのような医療機関で、何を、どの程度、どのような体制で担当してきたか**を具体的に書くと、採用担当が入職後の働き方をイメージしやすくなります。
この記事では、医師・看護師・薬剤師・医療事務などの医療職が、職務経歴書で経験と強みを伝えるためのポイントを解説します。
★医療職の職務経歴書で採用担当が見る5つのポイント★
①募集している業務と経験が合っているか
最初に確認されやすいのは、応募先が求める業務と、これまでの経験がどの程度重なるかです。
たとえば「外来経験あり」だけでは、診療科、患者層、1日の対応件数、担当範囲までは分かりません。次のように具体化すると、経験の内容が伝わりやすくなります。
記載例
「内科・循環器内科外来で、成人患者の問診、採血、心電図検査、診療補助を担当。1日平均約40~50名の外来に、看護師3名体制で対応。」
すべての経験を同じ分量で並べるのではなく、求人票の「仕事内容」「必須経験」「歓迎要件」を確認し、関連する経験を優先して書きましょう。
②担当業務が具体的に書かれているか
医療機関の名称や診療科だけでは、本人が実際に担っていた範囲を判断できないことがあります。同じ職種・診療科でも、施設によって業務分担や使用機器、患者層は異なるためです。
担当業務は、次の要素に分けて整理すると具体的になります。
医療機関の種別:病院、診療所、調剤薬局、介護施設など
規模:病床数、外来数、処方箋枚数など、説明に必要な範囲
診療科・病棟・配属部門
主な患者層や対象疾患
担当した処置、検査、診療補助、事務業務
夜勤、当直、オンコール、リーダー業務の有無
使用経験のある電子カルテ、レセコン、医療機器
患者数などは、正確な集計がなければ「1日平均約○名」「通常○~○名程度」のように、分かる範囲で書けば十分です。推測した数値や、確認できない実績を記載する必要はありません。
③経験を別の職場でも活かせるか
採用担当は、過去の実績そのものに加えて、応募先でも同じ能力を発揮できそうかを確認します。単に「教育を担当」「業務改善に貢献」と書くより、行動と結果をセットにすると経験の再現性が伝わります。
抽象的な例
「 新人教育を担当しました。」
具体的な例
「 新入職看護師2名のOJTを担当。チェックリストを用いて、採血・点滴準備・電子カルテ入力の習得状況を確認し、独り立ちまでの支援を行った。」
結果を数値で示せない業務もあります。その場合は、**課題、担当した行動、工夫、どのような状態になったか**の順で書くと伝わりやすくなります。
④資格・専門性・実務スキルを確認できるか
免許や認定資格は、正式名称で記載します。取得年月、有効期限や更新状況が業務上重要な資格は、その情報も確認しておきましょう。
資格だけでなく、募集業務に関係する実務スキルも有用です。
対応できる処置・手技・検査
経験した診療科、病棟、疾患領域
電子カルテ、レセコン、予約・会計システムの使用経験
管理、教育、委員会、感染対策、医療安全に関する経験
多職種連携や患者・家族への説明に関する経験
ただし、「できること」と「経験したこと」は区別します。見学・補助のみの業務を、単独で実施できるように読める表現にはしないようにしましょう。
⑤読みやすく、履歴書と矛盾がないか
採用担当は限られた時間で複数の応募書類を確認します。内容が良くても、情報の所在が分かりにくいと重要な経験が伝わりません。
職務経歴書に決まった様式はありませんが、医療職では次の順にまとめると確認しやすくなります。
1. 標題、氏名、作成日
2. 職務要約
3. 勤務先ごとの職務経歴
4. 活かせる経験・知識・技術
5. 免許・資格・研修歴
6. 自己PR
※職務要約の書き方
職務要約は、これまでの経歴を3~5行程度でまとめる部分です。職種、経験年数、主な領域、応募先で活かせる経験を簡潔に書きます。
退職理由は、職務経歴書に必ず記載しなければならない項目ではありません。記載する場合は事実を簡潔にまとめ、前職への批判に見える表現は避けましょう。
※ 自己PRは「強み・根拠・応募先での活かし方」で書く
自己PRは、強みを述べるだけでなく、根拠となる経験と、応募先でどう活かすかをつなげます。
1. 自分の強み
2. 強みが表れた具体的な経験
3. 応募先の業務での活かし方
応募先の理念をそのまま繰り返すだけでなく、自分の経験との接点を示しましょう。
※ 書かなくてもよい情報・注意したい情報
採用選考は、応募者の職務遂行に必要な適性・能力に基づいて行うことが基本です。厚生労働省は、本籍・出生地、家族に関すること、宗教・支持政党など、本人の適性・能力に関係しない事項を把握することは、就職差別につながるおそれがあると示しています。
職務経歴書にも、募集業務と関係のない家族情報、詳細な家庭事情、思想・信条などを自ら書く必要はありません。健康状態や配慮事項について伝える必要がある場合も、勤務に必要な範囲で、伝える時期や内容を整理しましょう。
## 参考資料
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」
https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/basic.html
- ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/member/career_doc01.html
- ハローワークインターネットサービス「職務経歴書の作り方」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/syokurekisyo_pamphlet_202306.pdf


