
【法律・制度】医療求人に適用される主な法律|募集・採用で施設が確認したいルール
求人公開から選考、雇用契約、資格確認まで。医療機関の採用担当者が押さえたい法令を短く整理します。
医療求人に適用される主な法律
求人公開から採用まで、守るルールは一つではありません
医療求人には「医療求人法」という一つの法律があるわけではありません。求人を公開し、応募者を選考し、雇用契約を結ぶまでの各段階に、複数の法律が関係します。
1.求人内容には「職業安定法」
求人では、業務内容、契約期間、就業場所、勤務時間、休日、賃金、加入保険などの労働条件を明示する必要があります。2024年4月からは、業務・就業場所の変更の範囲や、有期契約の更新基準・更新上限も明示事項に加わりました。
募集情報は正確かつ最新に保ち、実際の条件と異なる表示をしないことが基本です。
2.採用・雇用契約には「労働基準法」
採用時には、賃金、労働時間、休日などを労働条件通知書等で明示します。時間外・休日・深夜労働には法定の割増賃金が必要です。固定残業代を設ける場合は、基本給と分け、対象時間数・金額・超過分を追加支給する旨を明確にします。
お試し勤務でも、指揮命令を受けて実際の業務を行うなら、無給の「体験」にはできません。
3.給与には「最低賃金法」
月給・日給で表示する求人も、時間額に換算して適用地域の最低賃金以上である必要があります。最低賃金は改定されるため、公開中の求人も定期的な確認が必要です。
4.募集・選考には「差別を防ぐ法律」
男女雇用機会均等法により、募集・採用で性別による差別は原則禁止です。また、労働施策総合推進法により、年齢制限も例外事由に該当する場合を除き認められません。
「女性のみ」「35歳まで」などの表現は、業務上の希望だけで安易に設定できません。家族構成や本籍など、職務能力と関係のない事項を選考基準にしないことも重要です。
5.応募者情報には「個人情報保護法」
履歴書、資格、連絡先、職歴などは個人情報です。採用目的の範囲で取得・利用し、安全に管理します。第三者提供や共同利用を行う場合は、別途必要な対応を確認します。
6.医療職は「各資格法」も確認
医師法、保健師助産師看護師法、薬剤師法などにより、資格がなければ行えない業務があります。採用施設は、面談時または勤務開始前に、免許・資格の有効性と業務範囲を確認する必要があります。
なお、施設プロフィールに診療内容や実績を掲載する場合は、求人ルールとは別に、医療法上の広告規制が関係することがあります。
求人票は「条件を具体的に分けて示す」
法律を守るためだけでなく、採用後の行き違いを減らすためにも、給与、手当、当直、夜勤、オンコール、試用期間、業務範囲を曖昧にしないことが大切です。
Fixhireでは、医療求人の条件を項目ごとに構造化し、施設と求職者が同じ情報を確認しやすい設計を目指しています。求人票を公開する前に、最新の実態と一致しているかを見直しましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別案件に対する法的助言ではありません。具体的な求人・雇用条件は、管轄の労働局・労働基準監督署または専門家へご確認ください。
FAQ
医療求人には医療法だけを確認すればよいですか?
いいえ。求人の明示や募集方法には職業安定法、採用後の労働条件には労働基準法などが関係します。医療法は、施設プロフィール等に患者向けの診療情報を掲載する場合に別途確認が必要です。
求人公開後に条件が変わった場合はどうしますか?
速やかに求人情報を更新し、応募者にも変更内容を明示します。古い条件のまま募集を続けないことが重要です。
応募時に資格証の提出を求められますか?
業務に必要な資格の確認目的で求めることは可能ですが、取得目的を明確にし、必要な範囲で安全に取り扱う必要があります。
参考文献
厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」
厚生労働省「採用・選考時のルール」
厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」
厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」
厚生労働省「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」
個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドラインに関するQ&A」
e-Gov法令検索「医師法」「保健師助産師看護師法」「薬剤師法」検索向け要約
医療求人には、募集情報を正確かつ最新に保つ職業安定法、採用時に労働条件を明示する労働基準法、賃金の下限を定める最低賃金法、性別・年齢による差別を規制する男女雇用機会均等法・労働施策総合推進法、応募者情報を扱う個人情報保護法などが関係します。さらに、医師・看護師等の業務では各資格法に基づく免許確認が必要です。医療法は患者向けの診療広告等で問題となり得るため、求人情報と施設・診療情報を混同しないことが重要です。


