
【社会課題】インフレが続くなか、医療従事者の給与上昇には差がある
物価は上がる。けれど、医療現場の賃上げは職種・施設・雇用形態で同じではない
2025年平均の消費者物価指数(総合)は、前年比3.2%上昇しました。食料品や日用品などの値上がりが続けば、給与額が増えていても、生活が楽になったとは感じにくくなります。総務省統計局「2025年平均 消費者物価指数」
一方、厚生労働省の2025年「賃金構造基本統計調査」では、一般労働者の所定内賃金は全産業で前年比3.4%増、「医療・福祉」では3.0%増でした。厚生労働省「産業別にみた賃金」
数字だけを見ると、医療・福祉の賃金も上昇しています。しかし、消費者物価の伸びを明確に上回る水準ではありません。

「医療・福祉の平均」だけでは見えない
3.0%は、医師、看護師、薬剤師、リハビリ職、医療事務など、すべての職種に共通する昇給率ではありません。
実際の給与上昇は、職種だけでなく、病院・診療所・訪問看護・薬局などの施設種別、地域、経営状況、常勤・非常勤の違い、基本給と各種手当の配分によって変わります。平均値が上がっていても、個人の給与が同じ割合で増えるとは限りません。
なお、消費者物価指数と賃金構造基本統計調査は、対象や計算方法が異なります。3.2%と3.0%の差だけから、医療従事者全体の実質賃金が一律に0.2%低下したと断定することはできません。
賃上げの仕組みがあっても、反映には差が出る
2024年度の診療報酬改定では、医療従事者の賃上げを目的としたベースアップ評価料が設けられました。2026年度改定でも、対象職員の拡大や評価の見直しが行われています。厚生労働省「2026年度診療報酬改定―賃上げ対応」
ただし、届出状況、対象職員、配分方法などにより、実際の賃金改善は施設や職員ごとに異なります。制度があることと、全員の給与が同じように上がることは同義ではありません。
求人では「給与額以外」も確認する
インフレ下の仕事選びでは、月給や時給だけでなく、次の条件を分けて確認することが重要です。
基本給と固定手当の内訳
賞与、昇給実績、評価方法
夜勤・当直・オンコール・時間外勤務の手当
通勤費、住宅支援、託児支援
常勤・非常勤・短時間勤務の条件
災害時や緊急時に求められる対応
Fixhireでは、求人条件と求職者の希望条件を選択式で構造化し、比較しやすくする設計です。求職者は、災害時対応の可否や、対応できる地域・時間帯・業務などについても事前登録できる仕組みを想定しています。
この登録は、災害時の出動・派遣・勤務を確約するものではありません。実際の対応は、本人の安全、所属先の指示、家庭事情、交通状況などを踏まえ、当事者間で改めて確認する必要があります。
給与が上がったかどうかだけでなく、どの条件で、どの負担を伴って働くのか。物価上昇が続く今こそ、求人の「総額」ではなく、待遇の中身を比較することが大切です。
参考文献
総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年平均」
厚生労働省「2025年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
厚生労働省「2025年賃金構造基本統計調査―産業別にみた賃金」
厚生労働省「2024年度診療報酬改定―賃上げ・基本料等の引き上げ」
厚生労働省「2026年度診療報酬改定―賃上げ対応」


