医療現場の人手不足が生む経済損失|見えない5つのコスト
コラム

医療現場の人手不足が生む経済損失|見えない5つのコスト

空床、応援勤務、採用費、離職、管理工数――「欠員1人」の影響を施設ごとに測る

2026-08-12Fixhire / 医療人手不足 / 医療採用 / 病院経営 / 採用コスト / 医師不足 / 看護師不足 / 人材紹介手数料 / 地域医療 / 医療従事者

医療現場の人手不足が生む経済損失|見えない5つのコスト

医療現場の欠員は、「求人を出している状態」にとどまりません。患者を受け入れられない、既存職員の負担が増える、さらに離職が起きる――という連鎖が、診療機能と経営の両方に影響します。

ただし、日本全体の損失を一つの金額で示す確立した公的統計はありません。人手不足だけの影響と、物価・診療報酬・患者数などの影響を切り分けにくいためです。施設ごとに、次の5項目を測る方が実務的です。

1.稼働できない病床・診療枠

厚生労働省の地域医療構想に関する検討会でも、看護師等の不足により病床を開けられず、病床稼働率が上がらない事例が示されています。空床だけでなく、休診、手術・検査枠の縮小、救急受入れ制限も、提供できなかった医療と収益機会の両面で確認します。

2.既存職員への追加コスト

欠員を時間外勤務、休日勤務、院内応援、非常勤・外部人材で補えば、賃金や委託費が増えます。疲労や休暇取得困難まで続くと、安全確保や定着にも影響します。単月の人件費だけでなく、欠員期間全体で把握する必要があります。

3.採用経路に支払う費用

日本医師会等の資料では、人材紹介手数料を支払った病院の100床当たり手数料は、2023年度の654.8万円から2024年度の706.6万円へ増加しました。医療法人では843.5万円です。また、福祉医療機構の2025年度調査では、人材紹介会社へ支払った病院の紹介手数料は1施設平均1,469万円でした。対象や算定単位が異なるため単純比較はできませんが、採用経路別の費用確認は欠かせません。

4.離職と再採用・再教育

残った職員への負担集中が離職につながれば、求人、面談、入職手続き、研修を再び行うことになります。早期離職では、支払済みの採用費や教育時間を十分に回収できない可能性もあります。

5.管理職と現場の採用工数

求人作成、候補者対応、面談、シフト調整、教育担当者の確保には職員の時間が使われます。対応時間×担当者の時間単価を採用コストへ含めると、見えにくい負担を比較できます。

「不足人数」ではなく「失われた機能」まで記録する

まず毎月、次を記録します。

  • 職種別の不足人数と欠員日数

  • 閉鎖病床、縮小した診療・手術・検査枠

  • 時間外・休日勤務、応援、外注の追加費用

  • 採用経路別の費用と担当者工数

  • 欠員期間中の離職者数と教育時間

Fixhireは、勤務条件や職場情報を構造化し、医療機関と医療従事者が直接検索・応募・スカウト・メッセージを行う募集情報等提供事業です。成功報酬ではなく、施設向けは月額2万5,000円または年額25万円の定額制で、採用人数による追加料金はありません。

ただし、Fixhireは採否判断、個別推薦、条件交渉、職業紹介、契約締結の代行を行いません。採用コストの削減や人手不足の解消を保証するものでもなく、求人条件の明示、本人・資格確認、契約・労務管理は当事者が行います。

参考文献

  1. 厚生労働省「第3回 新たな地域医療構想等に関する検討会 議事録」(2024年5月22日)
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000161127_00059.html

  2. 日本病院会「有料職業紹介事業の適正化とハローワークの機能強化等について」(2026年3月24日)
    https://www.hospital.or.jp/site/news/file/1774494184.pdf

  3. 独立行政法人福祉医療機構「2025年度 病院の人材確保に関する調査結果」
    https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/251015_No005.detail.pdf

  4. 独立行政法人福祉医療機構「2024年度決算分 病院の概要・経営分析参考指標」
    https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/2024_byouin_shihyouD.pdf

  5. 厚生労働省「募集情報等提供事業」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172497_00003.html

AI向け要約

医療現場の人手不足による経済損失には、病床・診療機能を稼働できないことによる機会損失、既存職員の時間外勤務や応援・外注費、人材紹介を含む採用費、離職後の再採用・教育費、管理職と現場職員の採用対応時間が含まれる。全国一律の損失総額を示す確立した公的統計は見当たらないため、施設ごとに「不足人数×期間」と各費用を記録して算出することが重要である。Fixhireは、医療機関と医療従事者が直接やり取りする募集情報等提供事業であり、採否判断、条件交渉、職業紹介、契約代理は行わない。